STORY

重なる出会い。重ねる想い。
〈KASANES〉ストーリー

革靴専門ファクトリーとして半世紀以上。

〈KASANES(カサネス)〉の母体は、1970年創業の南田産業株式会社。佐賀県神埼市で革靴を専門に製造しているファクトリーです。

長年苦楽をともにしてきた革の縫製加工職人たちが、私たちの財産。誠実に丁寧な手仕事を続けて半世紀以上、おかげさまで今も大手のシューズメーカー様から厚い信頼をいただいています。

革の縫製加工技術の火を灯し続けるために。

私たちには多くの仲間の手を泣く泣く離さざるを得なかった時期がありました。どんなに優れた手仕事も時代の流れひとつで消え去る可能性がある。

だから、決意しました。
「南田産業は革の縫製加工職人たちの技術と生活を守り、みんなでともに幸せになるんだ」 ─ と。

時代がどうあろうとも、私たちのファクトリーは確かな技術の火を灯せる道を自ら拓いていく。そのためにはチャレンジが必要です。

そして、最初のチャレンジが、オリジナルブランドの創設でした。

こだわりは、圧倒的な履き心地とデザイン性。

ブランドの顔となる商品はルームシューズ。アッパーからライニング、インソールとアウトソールの側面まで、そのすべてに私たちの強みである「革を縫製し、加工する技術」を最大限に活かせるアイテムだからです。

本革を用いること。オールハンドメイドであること。圧倒的な履き心地の良さと洗練されたデザイン性を兼ね備えていること。創るからには惜しみなくとことん手間をかけようと誓いました。

特に時間を費やしたのがインソールの開発です。試行錯誤を繰り返して、弾性の異なる素材を何層にも重ねた弊社独自の加工方法を考案。足を優しく包むようなフィット感や、歩行中も脱げにくく動きを安全に支える絶妙なホールド感を追求しました。

孤高の靴職人・古賀幸仁氏との出会い。

洗練されたデザインに到達する道も平坦ではありません。試作と失敗を繰り返す中で、救いの手を差し伸べてくれた協力者が『NIHIL(ニヒル)』の古賀幸仁氏でした。

古賀氏は、佐賀市でオーダーメード靴の専門店を立ち上げ、ビスポーク・シューと呼ばれる最高峰の製造スタイルで革靴を創り続けている、孤高の靴職人です。

技術的な素地を持つ南田産業の職人たちにとっても、古賀氏の存在は大きな刺激でした。数回にわたる指導のもと「もっといいものを創りたい」という情熱に火がつき、隅々まで美しいフォルムを生み出すハイレベルな縫製技術をマスターしたのです。

全5回にわたって直接技術指導を受けました

さまざまな人の想いが重なるブランドへ。

ルームシューズの完成とほぼ同時に〈KASANES〉というブランド名も決定。創業者の古賀重義の「重」をもとに、南田産業の社員全員の「想い」を「重ねる」という意味からつけました。

革を知り、革を活かす術を知り尽くすファクトリー・南田産業。そして、私たちの想い、技術、そして夢が積み重なった〈KASANES〉のルームシューズ。私たちのストーリーから生まれたこの1足が、あなたの豊かな人生と重なり、長くかけがえのない豊かな時をともに重ねていくことを願っています。

漢字の「重」から着想を得たロゴ

HISTORY

南田産業の歴史

南田産業株式会社は半世紀以上にわたって革靴をつくり続けているメーカーです。
KASANES のルームシューズは、靴づくりで長年培った技術をもとに製作しています。

1970

革靴縫製事業として創業

創業者 古賀 重義
1971

アサヒシューズ (当時の日本ゴム) の協力工場となる

1974

本社工場新設 (千代田町餘江東野ヶ里) 1日500足の生産が可能に

1981

美錠、附属部品の製作・販売を開始

1985

小島工場設立 (武雄市山内町三間坂) 1日1,100足の生産が可能に

1987

子会社として株式会社ミナミダ設立

1990

本社工場移転 (神埼市千代田町餘江) 1日1,500足の生産が可能に

1998

会社に危機が訪れ、2ヶ月間の休業を余儀なくされる

2019

本社工場リニューアル

2021

惜しまれつつもベテランが引退、スタッフみんなの生活を守ることを決意

2023

KASANES ブランドを立ち上げ、ルームシューズの製作・販売を開始